第4回:麻布/神楽坂 DIE PRATZEさん

 

2002年9月24日

die pratzeとは<不器用>な手、という意味である。

場所 麻布 DIE PRATZE・ロビー
語り手 劇場付:田上さん
メール 劇場主:真壁さん

 

〜当初は田端から始まった〜

 

聞き手:

−インタビューをお受け下さり、ありがとうございます。
田上さんはこちらの劇場付きになったきっかけというのはどのような事だったんですか?

 

 

田上さん:

  オーナーとは以前から付き合いがあって、「前の人がやめちゃう。」っていうのでオーナーから(真壁さんから)「やらない?」って言われて。単純な話。

 

 

聞き手:

−なるほど-。
真壁さんが劇場を建てた動機みたいなモノはどこにあったんでしょうか?

 

  田上さん:

 うーん、一番最初は田端にあったんですね。それがもう10年以上前で、1985年ぐらいかな。そのときは実験演劇みたいなのが盛んだったころで。その実験劇場としての場所みたいな役割で、倉庫みたいなところで実験演劇をやる人達のための場所として建てたと思います。

 

 

聞き手:

−いわゆる、アングラみたいな?

 

 

田上さん:

  そうそう。推測だけど、その当時って劇団のアトリエとして小屋を持ってる人たちって結構居たと思うのね。誰しも劇団のものをもちたいって希望を持ってると思うので、それで自分もそういう「発信地」を欲しいって思ったんじゃないかな。そういう自然の流れだったと思います。
 で、そこが再開発になって、神楽坂に「とりあえず」っていう感じで引っ越して来たらしいんですけど、でも結局そこでずっと長く居座っちゃって…。

 

 

聞き手:

−劇場の名前の由来についてなんですが、
ディプラッツさんのホームページでは「不器用な手」という説明がなされてるんですが、それにはどのような意味が込められているんでしょう?

 

 

田上さん:

  おそらく当時つけた名前だから前衛のことを言ってると思うんだけど、それぞれ個々の表現を大切にしようという事だと思います。

 

 


今回お邪魔したのは「麻布DIEPRATZEさん」の方。都営大江戸線赤羽橋から降りて30秒という好立地。劇場はここを入って2Fです。

入り口の左手1F部分にはMOBILEガソリンスタンドがあります。



尚、このページの各画像はクリックして頂くことで、より鮮明な拡大したものがみられます。

 

 

〜「神楽坂ディプラッツ」噂の真相〜

 

聞き手:

−神楽坂ディプラッツが無くなる・無くならないっていう話を度々聞くんですけれど、結局その経緯というか、真相はどうなんですか?もしさしつかえなければお聞かせ願えますか?

 

田上さん:

  私は物件を借りる時とか、経緯は経験上良くわからないんですけど。
結局あそこ(神楽坂)が今マンションブームで、大家さんがマンションを建てたいって言う事で。それでビルの老朽化も理由に出てってくれって言う話で・・・。
 そしたら出ていかなければならないんだけども、ただ、お金の絡みもあって折り合いがつかなくって、今専門家の方に相談して交渉中です。最初5月まではやりますって言う事を言っていたんですけども、それも今は目処が立たなくって…。
 5月までは予約とっちゃってて、それ以降はまだ分からない。もうそろそろ動きが無いとつらいんだけども。できることなら続行はしたいんですけどね。

 私は(麻布と神楽坂)2つで行くものだと思ってたからその話を聞いたとき、「ええっ」って思ったんですよ。ここ(麻布)が建ってからその話を聞いたんです。

 

 

聞き手:

−結構急な話だったんですね。
 私、勘違いしてました。こっち(麻布)の方を建てたから、神楽坂の方を潰すのかと思ってました。
 で、今は出ていく(神楽坂ディプラッツが無くなる)って言う話はまだ検討中、というか交渉中と。良くわかりました。

 

 


「麻布DIEPRATZE」ロビースペース。
こちらでお話をお伺いしました。

おしゃれな造りになっています。
写真だと分かりずらいですが、
床面のセメントで作られた模様は手作りで、オープン前日まで作業をしていたそうです。

ちなみに「神楽坂DIE PRATZEさん」のひな壇も手作りだそうで。

 

 

〜昨年オープン!「麻布ディプラッツ」〜

 

聞き手:

−麻布ディプラッツさんは昨年オープンされたんですよね。こちらは「劇場を探そう」と言う話が出てからどのくらいでオープンされたんですか?

 

 

田上さん:

  もうずっと前から。ライフワークのように探してました。(笑)
ほら劇場を作る時って、相当の勢いがないと作れないでしょ、場所の関係もあるし。

 

 

聞き手:

−その勢いが出た理由ってどんなところなんですかね?「物件」と言う事ですか?

 

 

田上さん:

  そうですね。神楽坂も時期的にあれだから、もう決めちゃおうという事で。

 

 


「麻布DIEPRATZE」ロビースペースに併設されたバースペース。飲み物やお酒など置いてあります。
お客さんもゆったりとくつろげますね。

 

聞き手:

−何が具体的に決め手になったんでしょうか。

 

 

田上さん:

  高さですね。あと駅から30秒っていう立地の良さ。

 

 

聞き手:

−麻布ディプラッツさんの特徴とはどんなところだと思いますか?

 

 

田上さん:

  やっぱり高さ。たっぱと、後はうちは安いと思うんですよ。
  そして麻布はこのバースペースです。

 あと、借りるところに対して甘いと思うんですよ。他の劇場さんがどれほど厳しいのかわからないんですけど、好きなことやって現状復帰してくれれば、なんでもやってくれていいていうか。劇場管理も自己責任でやってもらうから、カギも渡しちゃうし。

 


「麻布DIEPRATZE」客席です。
写真右手の方にもお客さんの入るスペースがあり、キャパは120〜150人入ります。

 

聞き手:

−ところで今って空調つけてます?

 

 

田上さん:

  つけてますね。

 

 

聞き手:

−静かですねェ。芝居中とかはどうですか?気になります?

 

 

田上さん:

  音はあまり大きくは無いですね。まだそういう事(うるさいとか)は言われた事ないです。

 

 

聞き手:

−それは良いですね。小劇場によっては、各劇団さん、本番中は空調を切る・切らないでもめたりしてますけど、気にならないのは素敵ですね。

 

 

田上さん:

  新しく3台エアコンつけたんで、暑い・寒いの調節も大丈夫じゃないかな。

 

 

〜デイプラッツと言えば、柱!?〜

 

聞き手:

−あとですね、ディプラッツと言えば柱ですよね。神楽坂さんも、麻布さんのほうも柱みたいな物がありますけれど。柱については色々言われていると思いますが、何かこだわりがお有りだったりするんですか?

 

 

田上さん:

  (笑)しょうがないっちゃぁしょうがないっていうのはあるんですよ。やっぱり当時は客席をどっち側にするとか、もめたらしいんですよ。でももう最初からあったから。

 

 

聞き手:

−じゃあ、柱にこだわりとかがあるんじゃなくて、見つけたところに偶然、柱があったと。

 

 

田上さん:

 そうですね。

 

 

聞き手:

−なるほど。また一つ気になっていた疑問が解けました。ありがとうございます。

 

 


「麻布DIEPRATZE」舞台です。
すみません。暗くて何がなんだかわかりませんね。(^^;今度撮り直して参ります…。

えー、広いです。
天井高4.2m、奥行約9.0m×間口約9.2mです。充分な広さじゃないですか。天井も高い。

奥に話題の(?)柱が。


〜たくさんのフェスティバルや企画-「続けることが大事」〜

 

聞き手:

−ディプラッツさんでやられているフェスティバルや企画などについて教えてください。

 

 

田上さん:

  うち結構やってるんですよ。「MSA(Mentally Shocking Arts)」は2年に1回ぐらいやってて、「die pratze NEO Collection」とか、「パフォーマンスがみたい!」「ダンスがみたい!」とか、色々。(…と、田上さんから色々な過去のチラシ等を頂く)
 「ダンスがみたい!」は今年末ぐらいから翌年1月ぐらいまでやる予定で、4回目になります。

 

 

聞き手:

−その、フェスティバルや企画をそれだけたくさんやられているという、こだわりというか理由はどのような?

 

 

田上さん:

 劇場の活性化につながるっていうのがもちろんあります。それに、小劇場のお客さんて固まりがちだと思うから、色んなモノを紹介して違う目で色んなモノを見て欲しいという気持ちがあります。
 続けていくのがなかなか大変なんですけどね。場所としてもシステムとしても、対応しないといけない部分が、難しい。芝居じゃない人達や、変わった人達にもここを利用してもらいたいっていうのがあるけれど、基本的にディプラッツは芝居小屋なんで…。
 例えばライブハウスだと照明とかの状態も違うし、ギャラリー空間とかだと1週間とか借りて、劇場より安いじゃない。そう言う意味で、どんな「モノ」にも対応したいけれど難しいところがあります。

 

聞き手:

−それだけ色んな事を続けられているということは、やはりそれだけフェスティバルの魅力というか、やって良いとお感じになるところが有ると思うんですけれど。

 

 

田上さん:

  企画側としては出演側ともコミュニケーションが取れるし、自分の作品を作るときの参考にもなるし、色々刺激を受けるし。そう言う人達や、もちろんお客さんを含めて「繋がり」が出来てくる。
そういうところが面白い。

 

 

聞き手:

−続けていくって言うのが重要なんですね。

 

田上さん:

そうだと思いますよ。

 

 

 


「ダンスがみたい!」チラシです。ダンスモノに焦点を当てた企画で、舞踏などが多いようです。


「MSA」チラシ。こちらは演劇。アングラや実験演劇の団体が多数参加しています。


  NEO Collectionチラシ。
[non selection festival]と銘打って、舞台という枠にとらわれない、様々な「色」をもった団体が集まります。
 

【たくさんのフェスティバルや企画を続けていらっしゃいます。それは、もっと多くの方に色々なモノを見て欲しいというDIE PRATZEさんの思いの表れなんでしょう。】

 

 

〜そして舞台を考える-フリーペーパー「CUT IN」〜

 

聞き手:

−先ほど頂いたチラシの中に「CUT IN」*1(フリーペーパー)がありましたけれど、私も何回かホームページで拝見した事あります。これについて少しお聞かせ願えますか?

 

 

田上さん:

 タイニィアリスさんとディプラッツ共同で作ってます。井上さんと私で編集して。これは、うち(ディプラッツ)とタイニィアリスさんでこんな芝居をやってるとか、あとは井上さんが人に記事を頼んだり、あるいは自分で芝居等を見たりして…。そう言う事を載せています。

 動機としては、「演劇って言うモノを評論する場がたりない」っていうことで、そういう人達も育てたいっていうので作ったんです。

 

 

聞き手:

−タイニィアリスさんと共同でやられているのはどうしてですか?

 

 

田上さん:

 もっと広がれば良いとは思ってるんですけど、劇場の個性が違うとか、作る側で負担が大きくなってしまったりとか、ほんとはこれも色々問題があって…。
 まだ機能してるとはいえないですけど、やることが重要だなと。

 

 

聞き手:

−機能してないって言うのは?

 

 

田上さん:

 2つだけだと少ないですよね。まだまだ評論としても少ないっていうか。

 

 

聞き手:

−ゆくゆくは他の劇場さんとかともやりたいと。

 

 

田上さん:

タイニィアリスさんとかディプラッツ、プロトシアターさん、ストアハウスさんとか、オーナー同士はやっぱり繋がってて、最初は一緒にって言う話もあったんだけど・・・。

 実はこれ(CUT IN)ニューヨークのフリーペーパーみたいな感じで作ってるんですけど。(笑)

 

 

聞き手:

−ええ。そんな感じだと私、最初見たときそう思いました。

 

 

田上さん:

 ほんとに?(笑)

 

     

*1 「CUT IN」については劇場HP参照して下さい。

今のところ(2002年9月末現在)神楽坂ディプラッツさんは5月までの予約は受け付けていらっしゃいます。
その後の予定はまだ未定ということですので、分かり次第当ホームページでお知らせ致します。

インタビューはまだまだ続きます。(^^)

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